政治の素人である妻に、5人の人物評をしてもらったところ、
総理としてはどうかと思うが、という前置きをしつつ、
政治家として一番好きなのは、与謝野馨だと答えた。
個人的には、玄人受けする与謝野氏を妻が推したのを意外に感じる。
妻によれば、与謝野氏が一番真面目で誠実そうだから、ということらしい。
その話を聞いた僕は、今さらながらではあるが、
与謝野氏の著書である「堂々たる政治」を読んでみた。

最近は「上げ潮派」の著書を読むことが多かったので、
比べるのも面白いだろうと思い、気軽に読みはじめたところ、
与謝野氏のスケールの大きさに改めて驚く。
そして、小泉元総理に関するくだりなんかは、類書と比べても非常に面白い。
また、与謝野氏には理論派、堅実というイメージがあり、実際そうなのだろうが、
僕は、そのようなイメージのほかに、彼は「意識改革」というものを
非常に重要と考えているにちがいないと感じた。
意識改革については、小泉氏が叫び続けた「構造改革」という言葉が、
「国が助けてくれる、なんて甘いことは考えない方がいいな」
「それぞれが自分たちでやるしかない」
というふうに人々の意識を変えた、という記述くらいしかないのだが、
読み進めていくと、この本のモチーフは、国民の認識や意識がいかに
重要であるかという点ではないか、という気がしてくるのだ。
与謝野氏が消費税10%の話を持ち出すのは、国民の意識改革と、
与謝野馨にとっての政治家としての誠実さからくるのであろう。
与謝野氏と僕の考えは全て一致するわけではないが、
彼の政治家としての、また、人間としての魅力を発見できる好書。
また、今日は断続的に雨が降ったので、家でもう1冊読んだのだが、
これまた結構当たり。
「村上スキーム 地域医療再生の方程式」

夕張医療センターのセンター長であり、医療法人夕張希望の杜の
理事長でもある村上智彦氏へのインタビュー集。
村上氏の仕事ぶりは、NHKをはじめメディアで数多く取り上げられている。
・地域医療をまちづくりという視点で取り組む
・予防やリハビリ、ケアに比重を置いた新たなアプローチ
・最終的には住民の意識の問題(地域への愛着や自主性がどれくらいあるか)
・医療は目的ではなく、生きがいをもって働き暮らしていく手段
高齢化は日本にとって避けられないものだ。
しかし、それをマイナスにとらえるのではなく、地域医療を主体としたまちづくりによって、
そこに住む高齢者が生き生きと生活し、医療によって新たな雇用が生まれ、
雇用の受け皿として若者が住むようになり、さらには、そんな優しい地域に
住みたいと高齢者から若者まで移住するようになる。
町に賑わいが生まれる可能性は大きいと思う。
そして、地域医療とまちづくりを結びつけるには、
首長と医師だけではなく、保健師の存在が非常に重要だと思う。
保健師は、行政と医療をつなぐパイプ役であり、
彼(彼女)の熱意がまちづくりには欠かせない。
(ちなみに、うちの市には、非常に熱意のある保健師が多い。)
また、村上氏がカリスマ的存在として医療再生を進めているわけではなく、
スタッフ一人一人が自立的に考える存在として動いていること、
そして、村上氏が目指しているのは、カリスマではなく普通の医者でも
普通に地域医療ができるシステムを作ろうとしていること、
こういった組織論や普遍性のある仕組みづくりなんかは、特に興味深い。
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